山の案内人阿部源

登山ガイドの夫と共に行くいろいろな山の様子を主に見ていただきたいと思います。そして山の景色や花などをいっしょに楽しんでいただければ幸いです。また、普段の生活で感じたこや家庭菜園の様子などもアップしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

鳳凰三山

青木鉱泉鳳凰三山周回

8/24(水)~25(木)

コロナの感染拡大が続き、あちこちの山小屋で感染確認によって閉鎖になるところもあり、山小屋泊も心配になってしまう状況下ではありましたが、申し込んでくださっていた方々の希望をお聞きし、催行することになりました。

定員いっぱいの申し込みでしたが、希望者は4人となり直前で一人体調不良のためキャンセルのため、3人+私たち2人の5人で行ってきました。

お盆過ぎ、平日、花の時期が過ぎている等の理由?でか、山小屋は私たち5人と単独男性1人の貸し切り状態でホッとしました。

またすれ違った登山者も、登り時に下ってきた高校山岳部か大学ワンゲルなのか8~9人のグループと、稜線上で会った若いカップルと林道で追い越していったトレイルランナー1人だけでした。

<1日目>青木鉱泉9:00~白糸の滝13:25~五色の滝14:15~鳳凰小屋15:30(泊)

青木鉱泉 帰りに寄って汗を流していきましょう!

ドンドコ沢コースで登ります

工事後の左岸を歩きます。山頂付近は雲に覆われていますが、
下は予想以上にいい天気で晴れています。

シナノナデシコかな?

フウロかな?

渡渉します。

滝があるようです。

岩に「タカネビランジ」発見!

こんな下の方でも見られました。

キツリフネ

ヒヨドリバナかな?

苔と滝が美しい!

白糸の滝

アキノキリンソウ

クロクモソウかな?

「あんな所にもタカネビランジがあるね!」と右側の岩場に目をやりながら登ります。

苔がきれいです。

ミヤマコゴメグサ

五色の滝

五色の滝の岩場に咲くタカネビランジ

キノコがいっぱい

ネズミのしっぽ これもキノコ

急登がやっと終わって河原歩きになりました。もう少しです!

ノウゴウイチゴかな?いっぱい赤い実が付いていました。

鳳凰小屋に着きました。昔ながらの山小屋です。

山小屋の周りのシカ除けの柵の中に、いろんな花が咲いていました。「ヤナギラン」

シラヒゲソウ

「センジュガンピ」は「千手岩菲」と書き、千手は中禅寺湖の千手浜、
ガンピは中国原産なナデシコ科の花、センピに似ていることからつけられたとか。

ここにもタカネビランジ

その上にはここの地名を冠した「ホウオウシャジン」

途中で一時雨具を着ましたが、すぐに脱げ鳳凰小屋では外での受付(コロナ対策)を済ませ、蒸し暑い中の急登で汗びっしょりになった衣類を部屋で着替えて、外のテーブルベンチでゆっくりくつろいだ後、カレーライスの夕食となりました。

<2日目>鳳凰小屋6:00~地蔵岳オベリスク)7:10~観音岳9:15~薬師岳10:05

 ~林道13:50~青木鉱泉15:30

水場はコロナ対策として、右側:山小屋用 真ん中:宿泊者用飲料 
左側は下の川に直接落ちている:歯磨き・手洗い用

山小屋を後に

 

ダケカンバと花崗岩の砂の白、きれいです!

あれがオベリスクかな?

稜線の向こうには青空ものぞいています。雲が取れるかな?

観音岳が見えてきました。

オベリスクを後にする頃はまたガスが湧いてきてその姿を隠してしまいました。

秋の気配です!コケモモも色づいています。

岩の間を抜けて!

イワインチン

ヤマハハコ

タカネビランジを見ながら歩く花崗岩の稜線は気持ちいいですね!

白いタカネビランジ

ナナカマドも赤く色づいています。

観音岳山頂

ホシガラスはハイマツの実をたくさん食べています。

お皿のように使っています。(笑)

薬師岳山頂

 

薬師岳からはひたすら急な登山道を下るだけ

何岩だったかな?「御座石」

やっと少し平らになったけど、この後まだ急な下りがあります。

やっと林道に出ましたが、まだまだ1時間弱歩かなければなりません。

林道、青木鉱泉と同標高辺りで林道通りに行かず、トラバースルートを見つけ、そこを行ってみることにしました。するとドンドコ沢を渡渉することとなりましたが、流れが狭まった箇所で渡渉でき、疲れた体にはうれしい大幅な短縮となりました。

残念ながら白根三山等周囲の山々を眺めれことはできませんでしたが、まあまあの天気でタカネビランジも見る事ができ、ナナカマドの色づき等秋の気配を感じられたよい山行ができました。
行く前に心配したコロナですが、ゲンさんが言ってた「あんな所(いい意味でそんなにひとが押し寄せないという事)、平日だし山小屋なんか混んじゃあいない」通りでよかったです。実は私はテント泊でと思ってゲンさんに言っておいたのに、ゲンさんはテント泊の準備はしませんでした(正確にはしてくれませんでした)。一ヶ月以上山に行けてなかった私には、ハードなコースでしたね。久しぶりに筋肉痛で家の中を移動するにも痛いです!

下りで遅れ気味だったKさん、焼山に続き頑張りましたね!とても意欲的に頑張っています。当日に備えてトレーニングもしています。東北や北海道の縦走等ハードなコースを目標に頑張って楽しんでください!
最年長のMさん、急登・急下降もしっかり歩けました。一日目の登りでは水をゲンさんに持ってもらいましたが、2日目の歩き始め、ゲンさんが「持ちましょうか」と声を掛けましたが、「大丈夫です。今日は自分で持てます。」と言って頼ることなく歩き切りました。Mさんも普段からよく歩いている方です。
Yさんは今年仕事のやり方を変えて、山に行く時間を多くとれるようになり、東北遠征など遠出の山にもたくさん参加してくださるようになりました。それこそ雪山、日帰り登山・ハイキング、縦走、避難小屋泊等オールラウンドに山を楽しんでいます。今回の山行後「結構ハードな山行だったので、歩けて自信になった」と言っていました。

30年ほど前、夜叉神から2泊3日テント泊単独で、正月に登って以来の鳳凰三山でした。30年前の2泊目は鳳凰小屋にテントを張って、また同じコースを登り上げたのに、全く大変さは感じませんでした。今回は山小屋泊しかも夏山装備、それなのに本当に疲れました。年を取っただけでなく気持ちや向き合い方が違ってきているのでしょうね。三人の方々を見ていてトレーニングの重要性を再認識させられました。